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笠原 茂樹; 知見 康弘; 西山 裕孝; 橘内 裕寿*; 茶谷 一宏*; 越石 正人*
no journal, ,
中性子照射開始時の温度履歴と照射速度の相違がステンレス鋼の照射効果に及ぼす影響を明らかにするため、JMTRで照射したSUS304及び316Lの機械的性質に着目し、ミクロ組織変化の観点から検討を行った。試験には照射温度約290C、中性子照射量約510, 210n/mの照射ステンレス鋼を用いた。照射開始時の温度履歴の影響評価には、JMTRの出力に追随して昇温した照射材と、照射温度まで昇温した後中性子照射を開始した照射材を比較した。また照射速度の影響評価には、照射速度を約1/5とした照射材を用いた。その結果、JMTR照射材同士の比較においては、硬さ、引張特性並びにミクロ組織発達に及ぼす照射条件の相違の影響は顕著でないことがわかった。発表では、BWR炉内構造物の健全性評価に資するデータとしての適用性検討の一環として実施したBWR炉心照射材データとの比較(いわゆる照射相関)についても議論する。
橘内 裕寿*; 笠原 茂樹; 知見 康弘; 西山 裕孝; 茶谷 一宏*; 越石 正人*
no journal, ,
中性子照射ステンレス鋼の高温水中応力腐食割れ(SCC)機構の検討に資することを目的として、照射ステンレス鋼に特有な局所変形組織形成が表面の酸化皮膜形成に及ぼす影響を検討中である。本報告では、JMTRで中性子照射した後に0.1-2%のひずみを付与したSUS316Lの表面に発現した変形組織に着目し、走査型電子顕微鏡(SEM)及び電子線後方散乱回折法(EBSD)を用いて、局所的な結晶方位の変化について観察・評価した。その結果、照射量及びひずみ付与量に応じて試験片表面にすべり線状の段状組織の形成が認められ、結晶粒界に局所的なひずみ蓄積が示唆される結果が得られた。発表では、すべり線状の組織に着目し、その発現形態・密度等と照射量・ひずみ付与量等との相関について議論する。
山下 真一郎; 関尾 佳弘; 坂口 紀史*; 柴山 環樹*; 渡辺 精一*; 鴇田 駿*; 藤井 啓道*; 佐藤 裕*; 粉川 博之*
no journal, ,
商用ニッケル基合金のPE16は、照射環境下でのボイドスエリングによる変形量が少なくNa耐食性にも優れることから、英国の高速原型炉(PFR)で燃料被覆材として使用された実績を有する。一方、高温・高照射量まで使用された燃料被覆材では、粒界におけるHeバブルの析出や母相中に分散させていたNiAlTi('相)の固溶・粒界再析出等が生じ、粒界劣化に起因した強度特性の低下が確認されている。この粒界劣化に起因した課題に対して、本研究では種々の材料で粒界特性の改善効果が実証されている粒界制御技術に着目し、PE16で生じた粒界劣化の抑制、粒界特性の改善を目的に、対応粒界頻度80%以上の粒界性格制御したPE16及びその冷間加工材を試作し、高温での引張試験から粒界性格制御したPE16の強度特性に及ぼす冷間加工等の影響について評価した。引張試験の結果から、粒界性格制御したPE16と粒界性格制御した後に冷間加工を加えたPE16の引張強さの温度依存性は、いずれの供試材とも試験温度の上昇とともに強度が単調に低下し、800Cでは急激な低下がみられた。破断伸びは、冷間加工度が高くなるほど低下する傾向が示され、冷間加工による転位導入に伴う加工硬化に起因している可能性が示唆された。
鈴土 知明; 山口 正剛; 長谷川 晃*
no journal, ,
核融合材料の候補材として注目されているWでは、中性子照射下で核変換元素としてReやOsが生成される。これらの不純物は固溶限界以下でも照射によって析出する、すなわち照射誘起析出(RIP)を発生させることが知られている。RIP発生には溶質元素の拡散が不可欠であるが、本研究では第一原理計算手法を用いてW中の溶質元素の拡散様式を明らかにした。ReやOsは混合ダンベルを形成し非常に回転しやすく3次元運動になることがわかった。格子間原子の3次元運動は空孔との再結合を促進させるので、ReやOsをWに添加するとキャビティ形成が抑制されるとういう実験結果とも合致した。
遠藤 成輝*; 齋藤 寛之; 町田 晃彦
no journal, ,
AlNi合金は常温常圧でCuTi型構造をとる金属間化合物である。この合金は常圧近傍では水素をほとんど固溶しない。数GPaの超高圧下では、体積膨張率から計算してH/M0.25程度の水素を固溶することを見いだした。
都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*
no journal, ,
微細粒材料の機械特性は粗大粒と大きく異なることが知られており、その代表的なものが粒径に依存した強度変化である。本研究では、多結晶薄板モデルに対するせん断変形解析を行い、降伏応力と流動応力の粒径依存性を明らかにした。また、転位密度の異なる3次元多結晶モデルを用いた繰り返し変形シミュレーションを行い、薄板モデルと同様に粒径依存の降伏挙動を示すとともに、微細粒材料のバウシンガー効果が変形時の転位密度の変化によってもたらされることを明らかにした。本研究の一部は、2014年度日本金属学会論文賞(力学特性部門)を受賞した。
村尾 泰輔*; 酒井 潤一*; 城戸 修*; 横山 賢一*; 石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁
no journal, ,
純Zrにカソード電解水素チャージを行うと、試料表面でブリスターを形成し剥離することがある。再処理機器の爆着異材継手にZrは使用されているため、このような剥離は異材継ぎ手性能の劣化を引き起こすと懸念される。本研究では剥離挙動を明らかにするため、カソード水素チャージしながら純Zr表面の剥離挙動のその場観察を行い剥離と組織との関係を調べた。その結果、水素チャージ開始直後から直径2m以下のブリスターが全面で観察され、その大きさは時間とともに増加した。ブリスターの発生箇所をEBSDで調査した結果、結晶粒界において多くが発生していることが明らかになった。
永友 洸希*; 横山 賢一*; 酒井 潤一*; 石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁
no journal, ,
水素吸収により純Zr試料表面のブリスター生成から剥離までの挙動についての研究が近年行われているが、一方で定荷重負荷下においては、純Ti表面では負荷応力の影響で水素脆化挙動が変化することなどから、純Zr表面の脆化挙動が変化する可能性がある。そこで本研究では、水素チャージによる純Zrの試料表面の剥離挙動に及ぼす定荷重及び定ひずみの影響を調べ、純Tiの脆化挙動と比較検討を行った。その結果、弾性域における純Zrの定荷重及び定ひずみ試験においては、純Tiのそれらと同様に水素吸収量はほとんど変化しない一方、応力の増加と共に表面剥離面積が減少した。また、塑性域における定荷重及び定ひずみ試験においては、水素吸収量が急激に増加し、試料表面の剥離面積が顕著に増加した。
板倉 充洋; 蕪木 英雄; 山口 正剛; 都留 智仁
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燃料被覆管に使われるジルコニウムなどの六方晶金属は結晶構造の対称性の低さから特定の方向にのみ変形する性質があり加工が困難である。近年様々な元素を添加することでこの性質を改善する研究が各国において産学連携で進められている。本課題はこれまで鉄の転位の第一原理計算を行ってきた経験を活かし、代表的六方晶金属であるマグネシウムについて企業との連携で研究を開始したものである。本研究では実験において観測されていて塑性改善の鍵となると考えられている錐面転位の性質を初めて第一原理計算により調べ、その原子構造や移動プロセスを解明することに成功した。これは複雑な原子配置を限られた数の原子を用いて再現する工夫を数学的、物理的知見に基づいて開発したことによる成果である。この結果は、六方晶金属の塑性改善のために、これら錐面転位を活性化するような添加元素を計算の立場から発見することで指針を与える可能性を生み出したものである。
土井 教史*; 西山 佳孝*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆
no journal, ,
Niを主成分とする合金材料は優れた耐酸化性と高温強度によって化学プラント用構造材料として広く用いられている。酸化性の環境ではCr, Mo, Cuなどを添加することで耐酸化性を向上させている。これら耐酸化性元素の効果の詳細な機構は十分に理解されているとはいえない。各添加元素の耐酸化性への効果、機能を詳細に検討するため、特に酸化挙動初期の表面状態に注目しFe基材料と比較しながら検討した。NiおよびNi-Cu(2重量%Cu)合金を用い、鏡面研磨の後、SPring-8 BL23SUに設置された表面反応分析装置に導入し、Arスパッタ後、110Pa以下の高真空およびP=510Paの環境で650度Cに加熱しながら、両者の表面状態をその場分析した。110Pa以下の真空中で加熱した後、酸素導入したNi-Cu合金表面のNi2pスペクトル、および、Cu2pスペクトル、さらに510Paで酸素導入しながら加熱した際の両試料表面からのXPSスペクトルを比較すると、両試料の組成、環境に応じたNi, Cuの酸化挙動の差異が見られた。
Shi, S.*; 大野 直子*; 鵜飼 重治*; 石田 倫教*; 大沼 正人*; 阿部 陽介
no journal, ,
放電プラズマ焼結による有機高分子の熱分解ガスを利用して創製したCu基バブル分散強化合金(BDS-Cu)において、X線小角散乱(SAXS)、中性子小角散乱(SANS)、及び透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることにより、ナノバブルのサイズとナノバブル内物質の化学成分を調べた。BDS-Cuと純Cuにおける中性子散乱強度の違いから、ナノバブルの平均半径は2nmであり、TEM観察による測定と非常に良い一致を示した。また、ナノバブルからのX線散乱と中性子散乱の強度比から、ナノバブル内に水素を含有した有機高分子の存在が示唆された。